スギナは、抜いても抜いても生えてくる強力な繁殖力から、厄介な雑草と思われがちですが、昔からとても優れた薬草として重宝されてきました。
漢方では問荊(もんけい)として知られ、ヨーロッパではハーブティーとして古くから親しまれています。
駆除するなんてもったいない!自然の恵み、スギナパワーを生活に取り入れて、若さと健康を保ちましょう。
スギナとは?
スギナはトクサ科の多年草で、つくしが子孫を残すために胞子を飛ばした後に生える植物です。栄養茎をスギナ、胞子茎をつくしと呼びます。
スギナの驚くべき生命力
スギナは、原爆投下後の焼け野原に最初に生えてきた植物としても知られており、非常に強い生命力をもつ植物です。
スギナは酸性の痩せた土壌に育ち、茎や葉の部分にアルカリ性の栄養素を蓄え、枯れるとその成分を土に返します。つまり、スギナが生えた場所は自然に酸性土壌からアルカリ性の良い土に変わってしまうということ。
不思議で素晴らしい力を秘めている植物ですね。
現代人に必要な栄養素を豊富に含むスギナ
現代人は、酸性食品の摂取が増えたことなどにより、体が酸性化しているといわれています。体が酸性に傾くと、免疫力が低下し、体調不良の原因となってしまいます。
スギナは、ほうれん草の約155倍のカルシウムを含みます。カルシウムには血液を弱アルカリ性に保つ働きがあるので、スギナを摂取することで、免疫力の強化や病気になりにくい体を維持することが期待できます。
また、カルシウムだけでなく、スギナに含まれるリン、カリウムはほうれん草の5倍、マグネシウムは3倍と、スギナはミネラル豊富なスーパーハーブなんです。
スギナの最大の特徴はケイ素!
スギナには多くのケイ素が含まれています。ケイ素は髪や肌、血管や細胞など、人体のあらゆる部分に含まれる重要なミネラルのひとつです。
しかし、残念なことにケイ素は加齢にともない減少してしまうのに、人体で生成することができないので、40代以降はほとんど失われてしまうと言われています。
そこで、天然のケイ素を含むスギナは、美容のハーブとしても人気を集めているのです。
スギナの活用方法
スギナ茶
スギナ茶は利尿作用が高く、むくみ解消に役立ちます。また、体にたまった毒素を排出するため、デトックス効果も期待できると言われています。
スギナ茶はあまりクセがなく、すっきり香ばしい健康茶という感じで飲みやすいお茶です。
苦手な方は他のお茶とブレンドするのもおすすめ。
スギナ茶やヨモギ茶は単体では苦手だけど、二つをブレンドするとなぜか美味しく飲めるという人もいます。不思議ですね。
1、スギナを根本から刈り取る
2、よく洗う
3、乾燥させる(ザルの上や、紐で縛って吊るすなど)
4、フライパンで炒る(良い香りが出てきたら火を止める)
5、急須に入れて熱湯を注ぐ(2〜3分蒸らして完成)
スギナふりかけ
材料はスギナと塩といりごまだけ。シンプルだけど香ばしくて美味しいスギナのふりかけです。
おにぎりにしてもいいですね!
1、スギナを根本から刈り取る
2、よく洗う
3、乾燥させる(ザルの上や、紐で縛って吊るすなど)
4、スギナをキッチンバサミで細かく切る
5、フライパンで炒る
6、天然塩、いりごまを加えて少し炒めて完成
スギナ風呂
肌や髪や爪を強くしてくれるミネラル豊富なスギナを、お風呂に入れて活用する方法もあります。お湯が柔らかくなる、ポカポカ温まるなどの効果を感じる人も多いようです。
乾燥したスギナをネットやティーバッグに入れて湯船に入れるだけ。
または、乾燥スギナを鍋で煮出してから風呂に入れれば、より濃いスギナエキスを感じることができると思います。
スギナの注意点
栄養満点のスギナですが、大量摂取はチアミン欠乏症を引き起こす危険性があるので、注意してください。また、利尿作用が高いため、夏の水分補給として水代わりに飲んでいると、脱水症状を起こす可能性があります。
そして、スギナは多くのカリウムと、微量のニコチンを含んでいるため、下記の方は摂取を控えてください。
・カリウム制限を受けている方
・妊娠中の方
・小さなお子様
・ニコチン過敏症
・心臓・腎臓系の疾患を持っている方
まとめ
スギナは現代人の健康維持に必要不可欠なミネラルたっぷりの自然の恵みです。
薬効作用たっぷりのスギナを有効活用し、若さと健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。